野球肘は骨の形成が未発達な小学校高学年をピークに発症します。
投球という動作は、思った以上に肘関節に多大な負荷をかけており、程度によっては骨や軟骨がすり減ったりはがれたりします。
野球肘にならないためには、ウォーミングアップやストレッチだけでなく、下半身の強化を行ったり、全力で投球できる肘を作りこむところから始めます。防止策をいくら講じても、肝心の身体が出来上がっていなければ、肘を痛めることになります。
投球による負荷に耐えられない肘で投げ続ければ、症状は悪化し手術によって治療を施さなければなりません。
後遺症が残ることもあるので、痛みが出始めたらすぐに専門医の診断を仰ぐようにしましょう。治療中は基本的に投球を休止し、治療に専念します。
しかし治療の過程で難しいのは、治療そのものよりも心理的な問題です。選手ならば当然試合に肘の痛みを圧してでも試合に出ようと思うでしょう。選手枠を争っている最中でしたら、なおさら投球を休止するわけにはいかないと思うかもしれません。
ですから監督者は、選手の状態を常に把握し、個々に合わせたトレーニングを考えなければならない義務が生じます。
投球の目安としては、小学生で一日に50球以内、一週間では200球未満が望ましいとされています。中学生では一日に70球、350球未満が一週間での投球数です。
ちなみに(財)全日本軟式野球連盟の規則では小学生、中学生は1日7イニング以内(3年生以下は5イニング)、タイブレークの直前のイニングを投げた投手に限り最大9イニングまで投げることが出来ます。
指導者の目が野球肘を防ぐ!
しかしこれらの球数は目安であり、投手の状態を良く見極めることが重要です。
野球肘の防止には、常日頃から筋肉を冷やす行為つまりアイシングを怠らないことです。筋肉を冷やすと血管が収縮し、炎症拡大の防止に有効です。また冷やすことにより、痛みが軽減されます。
アイシングの目安としては20分ぐらいで、冷たいと感じてからその感覚がなくなるまで続けましょう。
また肘の負荷を避けるために、投球フォームの見直しもしくは改善を図ります。理学療法士や医師の指導を受けながらも良いでしょうが、肘、肩に負担がかからないフォームがありますので、参考にしてください。
野球選手はプロのトレーナーの指示のもと投球フォームを常に改良しています。肘の使い方の参考になるのではないでしょうか。