野球肘の予防・対策で重要になるのがアイシングです。プロ野球のテレビ中継では登板を終えたピッチャーが肘をアイシングする姿を見る機会もありますが、それも野球肘の予防のためです。アイシングによる冷却は急性の痛みや炎症を和らげる効果ももっており、投球によって肘にかかった負荷を和らげる優れた対策となるのです。
野球肘はとくに予防が重要ですから、ピッチャーは投球後にアイシングを行う習慣をつけるべきなのです。アイシングのポイントは投球後、もしくは痛みなどの症状が現れた直後に行うことです。関節部分の熱を冷ますためにも30分以内に行うのが条件といわれています。とくに炎症を防ぐためにはこの早期の対策が最大の鍵となるのです。
野球肘のためのアイシング
それからどれぐらいの間アイシングを行えばよいのか。冷やせば野球肘を予防・改善できるわけですからできるだけ長く行った方がよいように思えますが、あまり長く続けると逆効果です。冷やしすぎると関節部分の血行が悪くなってしまいますし、血液によって細胞に運ばれる酸素や栄養が不足して問題が生じる恐れもあるからです。
目安としては10〜20分程度。肘に熱や痛みがあるかどうか、状況を見極めながら判断していきましょう。
アイシングの種類
さまざまなスポーツ用品が売られるようになったことでアイシングも色々な方法で行うことができるようになっています。もっとも手軽なのは冷却タイプのスプレーですが、このタイプの製品はおもに筋肉を冷やすために作られており、短時間に強力な冷却効果をもたらすのが特徴です。
そのため野球肘の対策としては適さない面もあります。短時間だけ冷却しても十分な効果が得られませんし、長時間当てていると今度は効果が強すぎて凍傷などの問題が生じてしまうのです。
おすすめなのは、オーソドックスですが、ビニール袋に氷水を入れタオルで包んだ状態で当てる方法でしょう。なお、氷水をビニール袋に入れる際には空気を入れない方が冷やしやすいので心がけておきましょう。10〜20分と冷やし続けるとなると効果を維持するために何度か交換する必要もあるので手間を惜しまないことも大事です。