野球肘の改善に関して、これまで説明させていただいたのですが、ここで基本に立ち戻って野球肘の原因と改善の基本に立ち戻ってみたいと思います。
野球肘とは関節障害の一つです。投球動作やバッティング動作など、継続的にかつ許容量以上の負荷を関節にかけることで炎症を起こします。
正式名称は離断性骨軟骨炎と言い、野球においては投手に発症率が高いことから野球肘と呼ばれ知られるようになりました。
発症ピークは、11歳から12歳という、骨が柔らかく未完成の十代です。関節障害にならないためには、年齢によって望ましいトレーニング内容があります。例えば小学生低学年での投球数は一日に5イニング未満で、小学生高学年、中学生であれば7イニング、最大でのも9イニングです。
治療の基本的な方法は、肘に痛みを感じた時点で悪化しないよう投球を休止し安静にします。しかし痛みを我慢したまま放置すると、将来は肘が完全に伸ばせないなどの重大な後遺症を抱えることになります。
関節障害の治癒は、早期発見が基本です。また、自分の身体が持つ許容量を正確に知り、オーバーユースをしないように心がけることが大切です。
発症原因は、投球時にかかる肘関節へのストレスです。一つの動作だけでも肘関節には、複数のストレスがかかることになります。
そのひとつが外反への伸ばしひろげるストレス。
二つ目は内反への収縮するストレス。
三つ目は肘の外側への圧力。
四つ目は肘の後ろ側にかかる摩擦によるストレスです。
球種によっても肘関節にかかる負荷やその度合いは違ってきます。よって、骨や軟骨が未発達な子供の身体では、投球の球種に制限がかけられ肘関節を守るのです。
そもそも人間の関節の構造は継続的に激しく動くことができません。野球肘の発症原因を極力抑えるためには、基礎身体能力をトレーニング等で作り上げ、なおかつ身体の成長も伴わなければなりません。
投球フォームの改善が必須!
投球フォームが悪い方や、速い球を投げる方は特に肘への炎症に注意が必要です。プロ野球選手のトレーニング方法や投げ方を参考にすると良いでしょう。
また野球の指導者は、常日頃から投手のフォームが正しいものかどうか判断し、身体の成長に合わせたトレーニング内容を組み立てることが重要です。